認定補聴器技能者の役割(その2)

~聞こえの課題をゼロにしたい補聴器屋のコラム~

Photo of hearing aid test

 

認定補聴器技能者の役割(その1)↗
認定補聴器技能者の役割(その3)↗

日本国内における補聴器使用者の満足度は、40%未満です。
一般社団法人 日本補聴器工業会が調査主体になり、スイスのAnovum社が実施している調査からのデータです。(JapanTrak2018を参照)
この調査は、3年おきの2012年、2015年、2018年に実施されていますが、それぞれ36%、39%、38%という結果です。
日本国内で販売されている補聴器の7~8割ほどは欧米の補聴器メーカーのものです。そして、その欧米メーカーの補聴器は、現地と全く同じものが日本でも販売されています。つまり、日本国内に流通している補聴器は欧米とほとんど同じにもかかわらず、ご使用者の満足度だけが大きく異なるということです。

これはどういうことを意味するのか。
補聴器の供給、つまり補聴器販売の現場で何か課題があると考えるのが自然です。
その課題を解決するために、補聴器の専門家として存在する認定補聴器技能者が担う役割は、ただ単に適正に補聴器をフィッティングするだけではないように思います。
現在、日常的に行われている補聴器のフィッティングの質を向上させるには、既存の仕組みを変えてよりご満足いただけるようなサービスを改めて創り上げていくことも認定補聴器技能者の責務です。

認定補聴器技能者という資格は、公益財団法人テクノエイド協会が実施する第Ⅰ期から第Ⅳ期までの養成課程を経て、認定補聴器技能者試験に合格した者が取得することができる資格です。取得までには少なくとも4年間はかかります。専門知識を学びながら補聴器販売の現場で経験を積んだ4年間。
そこでは、聴力測定にはじまり、耳の形を採取する方法、補聴器による効果を測定する方法、アフターフォローの基礎から学んでいるはずです。
少なくとも認定補聴器技能者の養成課程で学んだことをしっかりと補聴器の販売の場で実践することを徹底すれば、欧米並みとはいかないまでも6割ほどの方には満足していただけるはずです。

 
(つづく)

 

著者:平野幸生

JINO株式会社
取締役最高執行責任者
認定補聴器技能者
日本補聴器技能者協会 理事

補聴器業界一筋27年。
外資補聴器メーカーのプロダクトマネージャーを経て2020年2月に補聴器専門店「耳のそうだん室JINO」をオープン。
「聞こえの課題をゼロにする」を合い言葉に、聞こえない劣等感を感じない社会の実現をめざし奮闘中。
耳のそうだん室JINO https://jino33.com/ (明るく広い店舗で皆様のご相談を待っています)


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