認定補聴器技能者の役割(その1)

~聞こえの課題をゼロにしたい補聴器屋のコラム~

Photos of hearing aids

認定補聴器技能者の役割(その2)↗

補聴器の販売に携わらせていただき、早や27年経ちました。
補聴器の世界的なメーカーはヨーロッパにあります。27年間のうち16年間をスイスの補聴器メーカーの日本法人で製品の責任者をさせてもらっていました。そこで、補聴器先進国の知識、情報に触れることができたのは私の大きな財産になっています。
現在は、補聴器をフィッティングし販売するお店を営みながら、補聴器の専門家である「認定補聴器技能者」を養成講座の講師を担っており後輩の育成にも携わらせていただいております。

 

日本全国には、補聴器を取扱い、販売しているお店は、7,000店舗以上はあるといわれています。
そして、補聴器の専門家である「認定補聴器技能者」は何人かというと、4,189名。(テクノエイド協会発表、2020年7月15日現在)
お店の数と専門家の数と合いませんね。
そうなんです、日本国内は認定補聴器技能者という専門家でなくても、補聴器を販売することができるような仕組みになっております。たしかに補聴器のフィッティングのための知識はある程度独学で学ぶことができます。独学で一生懸命勉強し、そこで身に着けた知識で耳の聞こえない方のサポートをする補聴器販売店もいるのですが、やっぱり独学はあくまでも独学、自己流であることもしばしば。
一方、補聴器の先進国とされている欧米は、専門知識を有し資格を持った専門家(オージオロジスト、音響技師等補聴器専門家 など)が補聴器をフィッティングしております。

資格を持っている者だけがフィッティングしている国と持っていなくてもフィッティングできる国。この差だけが理由ではないと思いますが、補聴器を使用している方の満足度は日本と欧米で大きく違います。

 

 
(つづく)

 

著者:平野幸生

JINO株式会社
取締役最高執行責任者
認定補聴器技能者
日本補聴器技能者協会 理事

補聴器業界一筋27年。
外資補聴器メーカーのプロダクトマネージャーを経て2020年2月に補聴器専門店「耳のそうだん室JINO」をオープン。
「聞こえの課題をゼロにする」を合い言葉に、聞こえない劣等感を感じない社会の実現をめざし奮闘中。
耳のそうだん室JINO https://jino33.com/ (明るく広い店舗で皆様のご相談を待っています)

耳のそうだん室 JINO(東京都杉並区荻窪)の店内の様子

Jino shop photo
Consultation corner of the shop

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