横浜市立大岡小学校に特別授業に行きました
きこえないってどういうこと? 〜わたしたちにできることってなんだろう〜
2022年1月12日(水)。横浜市立大岡小学校の支援級に特別授業に行ってきました。
『きこえないってどういうこと?〜わたしたちにできることってなんだろう〜』というテーマで支援級の1〜6年生24名、教師7名ほどの皆さんと一緒に、聴覚障害体験などをしてきました。
耳の聞こえにくい子もいれば、発達障害、ダウン症などさまざまな特性を持った子どもたちが学んでいます。そのような子どもたちにどう体験してもらえるのか。コロナ禍ということもありオンラインで、当日まで同じく聴覚障害を持つ担当教師とも相談を重ねてきました。
当日は、ヘッドフォン10セット/砂嵐の音源が入ったMP3を10セット/耳栓を全員分用意し、感染防止対策にアルコールも持参しました。
子どもたちは、教室の横に並べられるヘッドフォンに興味津々。4班くらいに分かれて、全員が体験できるようにヘッドフォンを交代して使いながら体験してもらいました。耳栓をつけるのも初めてな子がほとんどなため、耳栓だけでも一苦労。やっと準備が整って、さぁ第1班スタート!
まずは教室から出て、廊下を歩き、階段の上り下りをして教室にまた戻ってくるというルートを歩いてもらいます。ヘッドフォンをつけた瞬間、子どもたちは距離感を感じることが難しいのか、不安を強く感じた子どもは先生や友達同士で手を繋いでいました。
階段に差し掛かると、もう手すりを握りしめて慎重に上り下り。怖がっているので先生方のサポートが欠かせません。
先生方にも順番に、ヘッドフォンをつけて聞こえない状態で引率をしてもらいました。聞こえないと子どもたちの様子が把握しづらく、頻繁に後ろを振り返って不安そうにしている先生の表情が印象的でした。
もう一つの体験は、教室にみんなで座っているなかで、そのうちの4人ほどだけ聞こえない状態で座ってもらいます。その状況で、みんなで雑談をしたり、じゃんけんをしたり、聞こえない状態の子に話しかけたり。
ある子は、自分は会話が分からないのにみんなは笑っているという状況に、どんどん悲しそうな顔になっていきます。ヘッドフォンを外してもらい、どうだった?と聞いてみると「寂しかった」「悲しかった」という反応が返ってきました。
聞こえない状態の先生にわざと「ねぇねぇ、お菓子を私に買ってくれるんだよね?」と笑顔で話しかけながら指で丸マークを作って首を傾げると、本当は何も分かっていないのに、つられて指で丸マークを作ってうなづいてしまう先生。子どもたちはそれを見て爆笑。
一緒に何かをしたり、状況を正しく把握して判断したりすることがこんなに難しいのだということを、子どもたちも先生方も体感してくれたようです。帰り際には子どもたちが「ありがとう」の手話でバイバイしてくれました。