障害の垣根を越える初めの一歩。
[第1回ろう者・聴者ごちゃまぜウォーキングサッカー&フットサル]
イベントレポート
2020年10月25日(日)、一般社団法人4Heartsは、茅ケ崎に拠点を置く女子サッカークラブFC COLORREAL78(エフシーコロレアルナナジュウハチ)との共同開催で、「ろう者・聴者ごちゃまぜウォーキングサッカー&フットサル」を開催しました。
気持ちのいい秋晴れの中、戸塚スポーツセンター(横浜市戸塚区)に、ろう者6名、聴者12名、合わせて18名の参加者にお集まりいただきました。
ろう者と聴者の間に存在する見えない垣根
聴者の多くは日常生活の中で、ろう者はもちろん手話に接する機会がほとんどありません。接する機会がないから、出会ったとき、どう接したらいいのかわからない、手話はわからないからコミュニケーションが取れない・・・。
この、「知らない」「わからない」という垣根を壊したい。
と言っても決して難しいことからではなく、一緒にスポーツを楽しみながらお互いを知る。そうすれば、たとえ手話がわからなくても、筆談や身振り手振り、様々なコミュニケーション手段でお互いの想いを伝えることができるのではないか・・・。
そんな想いから、この企画がスタートしました。
魔法のサッカー「ウォーキングサッカー」
ろう者、聴者、サッカー経験者、未経験者、大人から小学3年生の女の子まで、まさにごちゃまぜの参加者たちを繋いでくれたのが、魔法のサッカー「ウォーキングサッカー」でした。
走っちゃダメ、ぶつかっちゃダメ、がつがつボールを奪いにいってはダメという、ウォーキングサッカーは、サッカー経験者はもちろん、未経験者やお年寄り、小さなお子様でも同じフィールドで一緒にゲームを楽しめる、思いやりにあふれたサッカーで、この企画にピッタリのスポーツでした。
今回は、デフフットサル女子日本代表選手の岩渕亜依選手、川畑奈菜選手(※)、一般社団法人日本ウォーキングサッカー協会佐藤会長様にもご参加、ご協力をいただき、笑顔と笑いにあふれたウォーキングサッカーとなりました。
イベントの後半は、フットサル。
ここでは岩渕選手はじめ経験者の方たちが、随所にそのテクニックを魅せてくれました。
そして中でも嬉しかったのは、初めは「私は見てる」と言っていた小学3年生の女の子が途中から勇気を出してフットサルにも参加してくれたこと!
一緒に参加してくれたお母様は、娘さんのフットサル参戦について、
「親目線からは、フットサルは・・・と言ってしまいがちですが、みなさんの楽しそうな姿がよかったのだと思います。」という感想を寄せていただきました。
また今回は二人の大学生も参加してくれました。
一人はスポーツイベントの企画、運営を専攻、もう一人は来春小学校の先生になることが決まっていて、「次回はイベント運営に参加したい」「手話の勉強を始めたい」と感想を語ってくれました。
もう少しゆったりとコミュニケーションが取れる時間を作れたらよかった、ということが今回の反省点でしたので、次回以降の開催に繋げていきたいと思います。
障害の有無、経験の有無、年齢の違いという垣根を越えて、サッカーで繋がるコミュニティを拡げていきたい。そんな想いを強くした秋の一日でした。
ご参加いただいた皆様には、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
※岩渕選手、川畑選手も参加したデフフットサル日本女子代表は、2019年11月にスイスで行われたデフフットサルワールドカップにおいて、世界第5位という過去最高順位を獲得されました。
[撮影:大川武、津金愛佳、文:加藤雄三]