茅ヶ崎市立図書館を舞台に 見えない聞こえない話せない3人の冒険
まちの中でコミュニケーションバリアをともに考える
※開催レポートは本文の最後にあります。
2022年9月23日。「手話言語の国際デー」なこの日、茅ヶ崎市立図書館の一角はは熱気に溢れていました。72人が利用できる大会議室は立ち見が出るほどで、見学者は譲り合って部屋を出入りして頂くほど。
ありがたいことに、小学校低学年から大人まで、参加希望者は口コミで増えて募集人数を超過しました。
情報保障については、茅ヶ崎市からの派遣で手話通訳が2名、手書き要約筆記が4名の体制。
子どもたちの声は私には聞こえないので、4つの各パーティに助っ人さんがつき、ファシリテーターをお願いしました。
他にもポスターのイラストレーター、受付担当、見学者への対応、ブロックゲームの担当、動画カメラマンやレポートを書く人…
当日のためにブラウンノイズを提供してくれたサウンドデザインの株式会社okidesign。
さらには、茅ヶ崎市聴覚障害者協会、茅ヶ崎寒川地区⾃閉症児・者親の会からもゲストトーク。
私も所属した茅ヶ崎青年会議所、茅ヶ崎商工会議所、茅ヶ崎市社会福祉協議会などもイベントの後援、シェアをして頂きました。
そして、茅ヶ崎市立図書館スタッフ、茅ヶ崎市障害福祉課とも何度も打ち合わせをさせて頂きました。
地域の社会課題解決を謳い、地道に地域との関係性を構築しながら、本当に多くの方を巻き込み、多くの方々が共感してくださって生まれたイベントです。
まちを舞台に気づきスイッチを入れ「じゃあどうしたらいいんだろう?」を続けていくことが、このシリーズの特色になるようにしたいなと思います。
子どもたちの吸収力と、自分がされて嬉しかったことをすぐに次の人にする転換力には、目を見張るものがありました。最後のアイデアソンでの発表は、イベント時間が長丁場で疲れているにも関わらず、ハイ!ハイ!と手を挙げてマイクをつかんで話す子どもたち。付箋を持って、ペタペタ貼り付けに来る子どもたち。
私たち大人がむしろ、子どもたちの力を見誤ってないか?思い込んでないか?
そんな自戒が生まれる瞬間でした。
さらにビックリしたのが、子どもたちに触発されたのか、「良かったです!」で終わらずに、次回への改善のためにいろんな人が「もっとこうしたらいいんじゃないか?」「こんな風に展開してみては」といった意見を、それこそ本当に沢山の人が率直に寄せてくれました。
周りで見ているだけの大人にも、気づきを与えることができたのだと思います。
さらに、毎月やっているサイレントアートやサイレント書道にも「もっとこうしてみよう」が波及しています。
今月はワークショップをお休みし、ブラッシュアップする月間にして、11月からリ・スタートしようと思っていますので、ぜひご参加ください。
当日は、司会をしている4Hearts代表の那須自身が聞こえないという自己紹介をあえてしませんでした。那須は、生まれつき耳が聴こえず手話と口話を時と場合に応じて使い分けています。電車が通る高架下の音も聞こえない、100db以上のスケールアウト(計測不能)です。
2019年1月に手術をして、スマートフォン対応の人工内耳を左耳にしています。右耳には補聴器をしています。
もしこれを保護者の方が見られていたら、参加者には「実はそうだったんだよ」と伝えてみて欲しいです。
聞こえない人には話せる人も話せない人もいるし、手話言語がわかる人もわからない人もいる。筆談がいい人も音声認識アプリがいい人もいる。日本語は第2言語だから、手話言語でないとわからないという人もいる。同じ人との会話でも、周りが騒がしいとかで環境や状況によっては、わかるときと、わからないときがある。高音が聞きにくいのか、低音が聞きにくいのか。
ひとりひとりのコミュニケーション方法も困っていることも違うからこそ、その人に聞くのが一番なのです。
そんなわけで、4Heartsボードメンバーである池田美砂子さんよりレポートが届きました!
等身大の子どもたちの冒険をご覧ください!
当日、本当は遠方から参加したかった、片耳が聞こえづらい親を持つ子どもたちもいました。子ども代表として発表して貰おうと思っていましたが、残念ながら諸事情で参加ができませんでした。発表原稿をせっかくなので掲載させていただきます!