スローコミュニケーション×サイレントアートレポート
【枠】を超えていって
11月26日(土)に行った第5回サイレントアートのワークショップの開催レポートをお届けいたします。
当日の朝は雨が降っていましたが、ワークショップの時間にはすっかり晴れて、気持ちのいいお天気となりました。
今回の参加者は、子どもから大人まで、様々なきっかけから参加された7名です。
公園を歩きながらの聴覚障害体験中、参加者の一人であるろう者が他の参加者に手話で話しかける場面もありました。
自然とその周囲に参加者のみなさんが集まって、手話がわかる人同士で話している様子を眺めているみなさん。
「きこえない」という状況は同じなのに、会話を楽しんでいる人と会話に加わる事ができない人とに分かれていました。
聴覚障害体験を終えた参加者の方々の感想は様々でしたが、「きこえないと、こんなに寂しいんだ」と感じられた方も。
代表の那須は、ヘッドフォンを外したときに、「自分が恵まれているな、きこえててよかったな」ということをしっかり感じてほしいと語りました。
差別という問題を考える上で大事なのは、まず自分がどういう風に恵まれているのか、「自分の土俵」とのズレがあることを頭に入れた上で考えていくことが絶対に大事なこと。
どんな差があるのかがわかった上で、「じゃあどうしたらいいだろう?」と考えることが大切です。
参加者一人一人の想いをシェアしてもらったあと、その「じゃあどうしたらいいだろう?」の気づきが生まれるサイレントアートの時間がはじまりました。
すでに何度か参加されている方はすぐに描き始め、初めて参加された方は、じっと考えてから少しずつ描いたり、描きなおしたりと、それぞれのペースで。
そんな一つ一つ違う絵がどうやったら繋がるだろう?
みんなで向き合い、目と目を合わせて指し示してみるだけで、「こことここが同じだね!」、そんな気づきが声で話さなくても通じ合い…
あれ?ちょっと待って!
画用紙をはみ出せば、こんな風にまるっと繋がるよ!
画用紙はいわばアンコンシャスバイアス、無意識の思い込み。
【画用紙】という限界を超えたことで、一つ一つ違う絵が色鮮やかに繋がり広がった世界がそこにありました。
人の気持ちも、今までの経験も、みんなそれぞれ違うけれども、コミュニケーションするための工夫から、対話が生まれる。
そして、想像力と好奇心によって人と人の間が繋がったとき、生きる喜びに気づかせてくれると想います。
一つ一つバラバラだった絵が繋がったように、人と人とも繋がり合える。
大切な気づきを共有できたサイレントアートワークショップでした。
今後も、まちづくりスポット茅ヶ崎でスローコミュニケーション×サイレントアートのワークショップを定期的に開催していきます。
あったかい文化、スローコミュニケーションのあるまちを、あなたも思い描いてみませんか?
ぜひ体験してみてください!
レポート:レイ(4Heartsサポーター)
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”気づかないもの”に気づくために、こちらもぜひご参考ください。
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