スローコミュニケーションプロジェクトWEBサイト公開!(リニューアルまではこちらで情報更新します)

かねてから提唱していた「スローコミュニケーションプロジェクト」のWEBサイトが公開されました。

スローコミュニケーションプロジェクトは、コミュニケーションの課題に向き合います。「スロー」とは、「こころのゆとり」のこと。人と人が接するときに生まれる障壁を取り除き、生きづらさを抱えるすべての人が、自分のこころに正直に生き、ありのままで参画できる社会を目指す取り組みです。

それは、聴覚障害に限らない取り組み。だからこそ、新たにWEBサイトを作る必要がありました。

当サイト(みみとこころのポータルサイト)は、聴覚障害者やその周囲の人の、より身近なロールモデルを提供できればと、2020年コロナ禍の真っ最中に立ち上げました。3年間活動を続けてきた中で、4Heartsは「聴覚障害」の枠を超えてより大きな社会課題に向き合っています。


それはまだ活動初期の、2020年末にそう決めた出来事がありました。
第2回みみここカフェダイアローグに、とある白杖を使わない視覚障害者が参加。左目の真ん中しか視野がない彼は、ペンを落としただけでも探すのが大変。
「筆談をしてもらうのに負い目を感じる」という話題の中で、彼が突然泣きながら「私もそうです。自分が職場の席を埋めるより、健常者が座った方が効率的だと感じてしまい、申し訳なく思ってしまう」と、彼はこれまでずっと、パートナーにも周りの人にも言えなかった気持ちを吐露しました。
帰り際に「ありがとう、ありがとう…!」と泣きながら握手をしてくれました。隣にいたパートナーは少しショックを受けつつも、彼が素直な気持ちを分かち合えたことを喜び、彼を見守っていたのが印象的でした。

「社会に対する負い目」「人様に迷惑をかけたくない」という感情は、障害の種類に関わらず当事者が抱く共通の心理です。また、見た目に分かりやすい障害を持つ人やアイデンティティを確立し、コミュニティを築いている人々(たとえばろう者など)よりも、困難さや曖昧さを抱える人々の方が、その気持ちをより強く抱えてひとりで悩むことが多いです。
そしてそれは、本人たちに原因があるのではなく社会の風潮がそうさせており、そこが社会課題なのだと捉えました。

障害ごとに個々の障害に合わせて支援する団体や組織は数多くありますが(それが否定されるものではありませんし、必要な取り組みです)、一般社団法人4Heartsは、特定の障害にとらわれることなく、より本質的に社会のマインドを変える、風潮を変えるための社会課題解決団体なのです。
今こそ、社会全体で包括的な支援を推進する必要があります。