第四回サイレント書道開催レポート
自分の目標を言葉にして掲げよう
1月7日土曜日、第4回サイレント書道ワークショップを開催いたしました。
5名の参加者は、音楽を仕事にしているからこそ興味を持って、あるいは書が好きだったりと様々な理由から集まってくれました。
聴覚障害体験中、公園では多くの子どもたちが遊んでいました。
そうした様子を眺めながら不思議な感覚になったという方は、大切な気づきをシェアしてくれました。
人の声が聞こえて、だけど、後ろの子どもの声も聞こえているのが当たり前。
もう何十年もそれが日常になっているから、遮断された時に、無意識のまま当たり前だったんだと気づきました。
意識してないんですよね。
全部聞こえてきてるのが普通で。
それについて考えない、考えていなかったんだなっていうことに気づきました。
子どもがボールを持っていて「危ない」と言われて振り向くことが当たり前。
でも、多分さっきの状態だったらわからない。
なのに、そう当たり前に思っちゃってたんだなっていうことに、なんか気付かされた…そういう感じでした。
また、今回が2度目という方が1度目との気持ちの違いを話してくれました。
1度目の体験は新鮮な驚き、非日常のような感覚が強かったのですが、今回は「戸惑い」でした。
普段遊びに来てくれてる子どもたちが手を振って寄ってきてくれた時に、何か言ってても聞こえなかったり、私自身も普段はやっぱり声に頼ったコミュニケーションをずっとしてたなっていうことに気がついて、子どもたちとどう接していいかが、わからなかったんです。
「今日も来てくれてありがとう」という気持ちをどう表現していいかがわからなかったのが、すごく苦しいというか。
気持ちを表現する方法がわからないというのを前回と比べて… 悲しい気持ちというんですかね。すごくどうしていいかわからない気持ちが今日はあふれました。
また、「きこえない」というのは「全くの無音」を意味する訳ではないのだと気づいた方もいらっしゃいました。
どうしたって、本当の意味で経験することはできないんですよね。
そのすきまを埋めるのは想像する力。
きこえない、きこえにくい人はやっぱり輪の中に入れなかったり、
気遣われても、その特別扱いが嫌だったり、
筆談も「大変だろうな」と申し訳なくなって「もういいです。もう書かなくていいです」となってしまったり、
いっぱい色々あると那須も気持ちをシェアしました。
そうした気持ちを理解した上で、そこをいかに乗り越えていくかが、このスローコミュニケーションのポイントなんだという那須。
そのためにも、まず大切なのは『内観』です。
自分を知らなければ、相手との違いを想像することはできません。
自分の気持ちを内観し、相手の気持ちを想像するサイレント書道へうつりました。
お正月開催のサイレント書道。テーマは「今年の目標」です。
今年一年の目標を思い描き、質問を通して「自分の目標」を深堀していきます。
漢字一字から想像力を発揮して質問し…
「どうやったら伝わるだろう?」と考えて…
声を使わずに、文字だけで相手の想いを想像していきます。
ワークショップの最後にシェアされたのは、新たな発見とフレッシュな気持ちでした。
漢字一文字を書くっていうところから、これだけコミュニケーションを広げることができるんだ!
自分の字で書けた時がすごくよかったので、気持ちに嘘をつかないで今日からスタートできそうです!
サイレント書道の講師を務めた由美さんも、「想像していたよりももっと楽しい想いが体の中にいっぱい溜まりました」と気持ちをシェアしてくれました。
字を書くことにコンプレックスがあったとしても、そんなこと思わないでいっぱい書いてください。
自分の気持ちを書く。
そのことを積み重ねていくと、私のように耳のきこえない人と何にも障害のない会話ができる時があると思います。
そう明るく語る由美さんとの出会いは、4Hearts主催のダイアローグイベントみみここカフェがきっかけでした。
4Heartsはこれからも、どんどん自分の夢、可能性を広げていけるきっかけを作っていきたいと思っています。興味のある方はぜひ関わってください!
レポート:レイ(4Heartsサポーター)
「スローコミュニケーション×サイレント○○」シリーズにご参加希望の方は、HPまたはFacebookページのイベント案内をご確認の上、申し込みフォームよりお申し込みください。