第三回サイレント書道開催レポート
言葉の奥をたずねてみよう
12月24日に行われた、第3回サイレント書道ワークショップの開催レポートをお届けします。
富士山もはっきり見える快晴のクリスマスイブ。
5名の参加者が集いました。
参加者には、奥様がきこえないというご夫婦が遠方から参加してくれました。
「きこえない状態で会話から取り残される」体験中、会話の流れはお二人の出会いのきっかけになりました。
最初は、共に働く仲間として出会ったお二人。
雇う立場だった旦那様は、
「一緒に働く従業員として、こんなに純粋な人は他にいない。ただひとつ問題があるとしたら、きこえないだけ。それなら自分が手話を覚えればいい」
そう思い、知り合いに頼んで手話を猛特訓されたそうです。
聴覚障害体験は毎回深い気づきがありますが、特に今回は「素敵なご夫婦のお話がきこえなくて本当に悔しい!」という感想が印象的でした。
また、聴覚障害体験で使用するブラウンノイズと呼ばれる音が耳鳴りに近い状態として感じられ、奥様の気持ちが少しわかったといいます。
「耳鳴りによって、考えることに集中できない」
「休憩時間、みんなの会話がわからない」
そうした気持ちを何度も何度もきいていたとのこと。
体験して実感した、その言葉の意味。
この先、それを解決する方法を真剣に考えなければという気持ちをシェアしてくれました。
休憩時間は、人間関係を円滑にするための雑談の場。
そこはまさに情報の宝庫。
相手の事情を知る機会。
事情を知っていれば、「 大変そうだからちょっと手伝おう」など、もう一歩、二歩も先の気遣いもできるはずなのに、情報が入らないことで、それができない。
それはやっぱり悔しい。
那須もそう語りました。
しかし、同時に『人との関わり』の難しさもシェアされました。
ただ言葉がわかったら、それだけで『伝わる』わけではない。
『言葉』がわかるからこそ、傷つくこともたくさんある。
それをどうしたら、こころの通うコミュニケーションに変えられるのでしょうか。
そうした思いを共有して、サイレント書道がはじまりました。
提示された漢字から、意味を想像して質問を重ねていきます。
自分が想定していたものと違う答えに、「あ!自分の想像と相手が見ているものは違うんだ」という気づきも。
言葉がわかっても、相手の言葉の意味を決めつけてしまい、お互いに気持ちを受け取り間違えてしまった経験。
それがもし、「違うこと」「わからないこと」が前提であればどうでしょうか。
「もしかしたら違うのかもしれない」と、お互いに歩み寄っていけるのかもしれません。
自分が本当に伝えたい言葉は何か。
相手が伝えようとしている気持ちは何か。
ちゃんと「自分」というのを知ってから、
自分は何ができるのか、
人とどう関わっていくのか、
そうしたことがわかってくる。
そして、何を伝えるのか、
その伝え方も考えていくことが大切だと思います。
声を出さないことで生まれる気づき。
深くお互いを感じながら、相手のこころに触れるコミュニケーション。
あなたもぜひ体験してみてください!
何もしなかったら変わらない。
一歩踏み出して、間違えたとしても、直していけばいい。
そんな勇気が得られるかもしれません。
レポート:レイ(4Heartsサポーター)
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