スローコミュニケーション×サイレントアートレポート

「きこえない」から気づくこと

 

9月3日(土)に、まちづくりスポット茅ヶ崎で3回目となるサイレントアートのワークショップを行いました。

 

まちづくりスポット茅ヶ崎は、目の前にインクルーシブ公園がある交流スペースです。

 

子どもたちが遊んでいる中、ヘッドフォンをつけて外を歩くと、「音が無い」ことに気がつく機会が多いと思います。

 

集まった5名の参加者のみなさんは、「きこえない」を体験して初めて気づいたことに、新鮮な驚きをもって受けとめていました。

 

きこえない状態で外に出たら、遊んでいる声が何もきこえない。

子どもたちの人数はとても多いのに、今どう遊んでいるのかが全然わからない。

楽しいのか、それとも、疲れているのかなど、感情の動きが全くみえなかった。

 

普段は、きこえてくる声の大きさで、「今日どれくらいの人数の人がどんな風に遊んでいるか」というのを想像できていることに気づき、「きこえる」ということで補えている情報がとても多いことがよく実感できたと語る参加者もいました。

 

きこえる人にとっては、何気なくきこえてくる隣で遊ぶ子どもたちの声。

そうした全てが大切な「情報」。

 

そうした参加者の気づきを拾いながら、きこえない人の心理や、「音」に気づいた体験などを語りました。

 

また、きこえない人だけでなく、様々な事情で話せない人もいることや、今までほとんど考えられて来なかったコミュニケーションバリアについても触れて、スローコミュニケーションの意義を伝えました。

 

「コミュニケーションバリアのないまち」をテーマにしたサイレントアートでは、「きこえない」を体験して感じた気持ちや気づきが込められた絵を繋げていきました。

 

ある参加者は、最初は「みんなにテレパシーの機械をつけてもらう」という絵を描いたものの、途中で絵を描き直されたようです。

 

様々な色で、カラフルに描かれたたくさんの人が一緒にいる絵。

 

みんなちがう。みんなコミュニケーションの仕方だとか、海外の方だとか、ちがうけれど、それでも、みんなで協力し合って自分たちで工夫して生きていこう!という意味を込めて描かれたそうです。

 

「スローコミュニケーションのあるまち」は、一人ひとりが心がければできることだと思います。

ただ、やはり「きこえない」を体験してみないとわからないことが多いと思います。

 

子どもの遊ぶ声、

葉っぱのざわめき、

足音、

 

それら、全てがきこえない。

 

「きこえない」ことで、はじめて気づく賑やかさ。

今まで、気にもとめていなかった「音」への関心。

今、きこえた「音」が、もし、きこえなかったとしたら?

 

その気づきから生まれるのは、目の前にいる相手の事情や気持ちを想像し合い、様々な工夫で伝え合える文化。

 

そのようなあったかい世界観を、あったかい文化を広められるのは、誰だと思いますか?

それは、実は、当事者の「こうなんだよ」という言葉を受けとめた、当事者の周りにいる人たちだと思っていると、那須は最後に伝えました。

 

真剣なまなざしで話をきいていた参加者のみなさんは、それぞれの受けとめ方で、その想いを持ち帰られていきました。

 

 

今後も、まちづくりスポット茅ヶ崎でスローコミュニケーション×サイレントアートのワークショップを定期的に開催していきます。

あったかい文化、スローコミュニケーションのあるまちを、あなたも思い描いてみませんか?

ぜひ体験してみてください!

  

 

  

レポート:レイ(4Heartsサポーター)

 

 

 

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