小宮山日記(10)
世界でも数少ない“聴覚障害者のための大学”で学ぶその挑戦を、コラムとして届けていきます。日本とは異なる文化や環境の中で、小宮山さんが何を感じ、どんな視点を持つのか。等身大の言葉で綴られるリアルな声を、どうぞお楽しみに。

小宮山です。
1月中旬に冬休みが終わり、大学の講義も始まったためバタバタしていたが、徐々に日常生活のリズムに戻りつつあり、安堵している。今回は、1月上旬から中旬までの約1週間シカゴに滞在したときのことを振り返りたい。
シカゴは、幼少期からテレビゲームやスパイダーマンを通じて親しみのあった都市であり、実際に訪れてみると、高層ビルの多さに圧倒されながらも強い高揚感を覚えた。
滞在中には、聴覚障害者関連の施設を2か所訪問した。
1つ目はChild’s Voiceである。
ろう難聴の子どもたちが主体性や社会性を身につけることを目的とした組織で、大雪の中、公共交通機関とUberを利用して訪問した。3〜9歳の各クラスを見学したが、授業では主に口話によるコミュニケーションが行われていた。一方で、口話教育のみに重点を置くのではなく、月1回の交流イベントや、ろうの大人による講演などを通して、家族や子どもが多様な価値観に触れられる工夫もなされていた。ユタ州で訪問したろう学校とは異なる方針であり、教育の多様性について改めて考えさせられた。
2つ目はChicago Hearing Societyである。
ここでは、コミュニケーション支援、コミュニティ形成、犯罪被害者支援など、幅広い活動が行われている。当日は聞こえないスタッフが丁寧に説明してくださり、0〜22歳の聴覚障害者を対象に支援を行っていること、また聴者家族向けのASLクラスも提供していることを知った。聴者家族の中には口話を重視する人も多いため、ASLや口話に限らず、ジェスチャーや筆談など多様なコミュニケーション方法があることを伝えているという。家庭内のコミュニケーションが子どもの言語発達に大きく影響するからこそ、どのような形で支援を行うかが重要であると感じた。
今学期は6コマの講義を履修しており、社会学、教育神経科学、ろう者学(正常性の強制、研究方法、ろう者間の国際的なつながりと国際手話、エコポエティクスと手話パフォーマンス)などを学んでいる。
ろう難聴者は障害があると言えるのか、そもそも障害とは何なのか。
こうした問いに向き合いながら、その学びを帰国後にどのように生かしていくのかを考えつつ、1コマ1コマを大切に学んでいきたい。


