小宮山日記(9)

2025年夏からアメリカ・ワシントンにあるギャローデット大学(Gallaudet University)へ、社会人として留学している小宮山さん。

世界でも数少ない“聴覚障害者のための大学”で学ぶその挑戦を、コラムとして届けていきます。日本とは異なる文化や環境の中で、小宮山さんが何を感じ、どんな視点を持つのか。等身大の言葉で綴られるリアルな声を、どうぞお楽しみに。

小宮山です。
ご挨拶が遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。

現在は、兄夫婦が住んでいるシアトルで冬休みを過ごしている。
日本は17時間早く新年を迎えるため、日本にいる家族からのLINEで年明けを知り、少し不思議な気持ちになった。2025年を振り返ってみると、「とにかくやってみる」を意識できた一年だったと思う。英語やアメリカ手話の勉強、ギャローデット大学の国際特別学生プログラムへの入学、ニューヨークへの日帰り旅行、友人が住んでいるユタ州への旅行など、思い切って挑戦したことが多かった。

一方で、2026年はもう少し自分に優しくなりたいとも思っている。これまで休まずにがむしゃらに走ってきた感覚があり、気づけばストレスが溜まってしまっていたことも何度かあった。これからは、うまく息抜きすることも覚えていきたい。

ここからは、2025年12月からこれまでの約1か月間を振り返りたい。

12月上旬は、最終プレゼン、最終テスト、論文提出が重なり、かなり忙しい時期だったが、すべて無事に終えることができた。成績もそこまで悪くなかったため、まずは安堵している。その中でも特に印象に残ったのが、「講義への積極的な参加率が90%」と評価された点だった。単に講義内容を理解するだけでなく、インプットした知識を質問や発言を通してどのようにアウトプットするかが重視されているのだと、改めて実感した。最終プレゼンでは、日本の一般企業で働いた経験や日本文化を積極的に取り入れた。その結果、教員や他の学生から多くの質問や関心を寄せてもらえた一方で、うまく説明できない場面もあった。自分の考えやその背景を、英語やアメリカ手話で的確に整理し、相手に伝える力がまだ不足していると感じた。

次学期ではこの反省を生かし、より説得力のある発信ができるよう努めたい。

12月中旬から冬休みが始まり、大学の寮も閉まるため、友人が住んでいるユタ州に2週間滞在した。友人もろう者で、ユタ州のろう学校とつながりがあったことから、4校のうち2校を訪問させていただいた。

1校は盲ろう学生も受け入れており、図書館には盲ろう者向けの本も並んでいた。アクセシビリティが当たり前のように整えられている様子を見て、日本とアメリカの違いを強く感じた。もう1校では、3〜12歳までのクラスを見学し、「ろうメンター」という、ろうの子どもがいる家族を支援する専門職の方とも話をさせていただいた。聴者家族の中には、「どのように子どもとコミュニケーションを取ればよいのか」「聞こえない子どもは将来社会に出られるのか」といった不安を抱える方も多いそうだ。そうした家族に寄り添いながら、アメリカ手話を一緒に学んだり、補聴器や人工内耳について複数の選択肢を提示して話し合ったりするという。日本でいう言語聴覚士に近い立場だと思うが、聴者家族にとって、実際に社会で活躍しているろう者と話せること自体が、大きな安心感につながるのではないかと感じた。

12月下旬には、兄夫婦が住んでいるシアトルに移動した。
年末年始が近づき、店も閉まっているため、家でのんびりと過ごしている。兄夫婦はアメリカ手話ができないため、音声認識アプリやLINEを活用しながら英語でやり取りしているが、結果的に英語の勉強にもなっており助かっている。来週あたりには、友人が住んでいるシカゴに約1週間滞在し、聴覚障害関連の施設も訪問する予定。次回は、その報告もできたらと思う。