「手でお話しできる人になる!」

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くみちゃんとの出会いから数年後、
黒柳徹子さんの「窓ぎわのトットちゃん」が発売になりました。

 

 私は小さい頃からとにかく「活字の本」が大好きでした。
本屋さんがない田舎の町に住んでいたので、親に頼んで予約して買ってきてもらいました。

 テレビで見る黒柳徹子さんの早口とは全く違う、優しい言葉遣い、活字だけでも頭の中に映像が浮かぶような文章で、一気に読み上げました。

 その中に『手でお話』という章があります。
トットちゃんが初めて手話を見たときの話です。
「手話をおぼえたら、私も、くみちゃんともっとお話しできる!私も手でお話しする人になる!」
トットちゃんと同じように、私自身も「こう言う人になる!」と将来像を決めていました。

Child photo

 

 当時の担任の先生は、宿題を出しませんでした。日記を書くか、テーマ作文を書くことが宿題がわりでした。
『テーマ作文』とは、いわば小論文です。
全員が合格するまで、添削の繰り返し。合格した後、先生が文集にしていました。

『詩を描いてみよう』というテーマの時、わたしは無意識に『耳』というタイトルで詩を書きました。

 

“もしも私の耳が聞こえなかったら
みんなの話が聞こえない
私はひとりぼっちになるだろう

もしも私だけが聞こえていて
みんなの耳が聞こえなかったら
私はひとりぼっちになるだろう“

 

 もっと長い詩で、全部はさすがに覚えていませんが、この文章は今でも覚えています。何回も添削を受けて完成させました。

『ひとりぼっちになりたくない』
『ひとりぼっちにさせたくない』
この想いをずっと抱いていたこともあるのかもしれません。

 

『窓ぎわのトットちゃん』は、私にとって、『バイブル』『育児書』です。
我が子が聞こえないとわかった時に手話という選択肢があったのは、子どもの頃の『くみちゃんとの出会い』と『窓ぎわのトットちゃん』のおかげです。
今でも読み返しては、私がこの本を読んでやってきたことが、我が子にはあっていたと信じています。

 
 

著者:真愛美

妊娠中の風疹感染による先天性風疹症候群のろう重複障害児のママ。
同じような境遇のママ達に少しでも参考になればと子育て体験記、知恵、アドバイスなどを自身の経験から執筆。

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